今回は、就職活動をされている学生の皆様に向けて、CRA職のお仕事やそれを支えるLMの役割、育成体制、会社の雰囲気について、CRA、LMの先輩社員からお話をお聞きしました。
対談者のご紹介
今回、お話をお聞きしたのは、CRAの先輩社員とCRAをマネジメントしているLMの皆さんです。
①Y.Aさん: CRA歴6年 Senior Clinical Research Associate(以下、CRA)
②R.Fさん: CRA歴2年 Clinical Research Associate (以下、CRA)
③A.Mさん: Line Manager(以下、LM)
④M.Oさん: Line Manager(以下、LM)
CRAのお仕事
採用担当:
医薬品開発の花形業務と言われる臨床開発のCRA職はどんなお仕事なのでしょうか?
Y.Aさん:
CRAとは治験を実施している医療機関に訪問して、治験がさまざまな法律やルール、計画書を守って、適切に実施されていることを確認し、治験で集積されたデータの整合性を確認していくことが主な仕事になります。
CRAの1日
採用担当:
今日R.Fさんはスーツを着ていますが、外勤のご予定があるのでしょうか?CRAとして、日々どんな流れでお仕事をされているのか教えてください。
R.Fさん:
はい。この後、外勤予定です!
今日のように外勤(医療機関等へ訪問)のある日は、その日に確認する内容や量によって一日中ご施設に訪問、または午前中だけ午後だけの訪問もあります。今日は午後だけの予定で、確認する内容はしっかり計画書通りに治験を実施いただいているかや治験薬は適切に管理されているか等です。そのあと、医師または薬剤師に確認結果をお話し、外勤はそれで終わりとなります。その後は家に帰りゆっくりしたり、または確認した内容の整理したりとかしています。
外勤の時にはこんな一日ですが、Y.Aさんはご施設に行かない日は何をされているのですか?
Y.Aさん:
医療機関へ行かない日については、医療機関の訪問の準備や、訪問後の書類の処理、またモニタリング報告書を作成します。
それ以外にも医療機関からの問い合わせがあればそれについて確認、返答を行っていきます。
柔軟な働き方
採用担当:
入社された方から、弊社は柔軟に働けると聞くことが多いのですが、Y.Aさんはどんな働き方をされているんですか?
Y.Aさん:
弊社は、ハイブリッド勤務なので、在宅勤務も可能となっており、いつも通勤にかかっていた時間で、朝ゆっくり過ごすことも可能ですし、家事や自己啓発に時間をあてることも出来ます。
またフルフレックス制(コアタイム無し)も導入されているので、働く時間を自由に設定できるのもひとつの魅力です。今日は在宅勤務を行い、早めに仕事を終えて、子供と遊ぶということも出来るのでとても有意義な時間を過ごせています。
在宅勤務でのコミュニケーション
採用担当:
Y.Aさんは、別の会社から弊社に転職されてきたかと思いますが、前職との違いなどで、例えば、コミュニケーションの面で苦労されたりしましたか?
Y.Aさん:
コミュニケーションの面で、弊社は、風通しのよい会社だと思います。
在宅勤務では、仕事で困ったことがあれば、社内のチャット機能で気軽にチームメンバーに質問ができ、解決できるような環境となっています。
また、困ったことがあれば、親身になって話を聞いてくれるマネージャーや試験のチームメンバーもいるので、在宅勤務だからといって1人で仕事をしていても孤独は感じません。
英語について
採用担当:
弊社では、グローバルの試験が100%なので、英語でお仕事をすることも多いと思いますが、元々英語は得意でしたか?
Y.Aさん:
恥ずかしながらわたくし自身、英語は正直得意ではありません。ただ英語を使う環境下であるので、毎日使っていくことで、英語の読み書きは、少しずつ慣れていくかと思います。もちろん、それ以外でも勉強は必要になってくるのかなと思います。
実際の業務での使用頻度としては、医療機関 訪問後のモニタリング報告書作成は英語となります。
弊社場合ですとGlobal試験となっておりますので、試験の問い合わせなどは英語で行うこととなります。
また、Global会議に出席しなくてはならない立場や試験のリード業務をされる方は、聞き取る・話す能力も必要となってきます。ただ海外の人もけっこうくみ取ってくれるので、そういった意味では仕事がしやすく感じます。
採用担当:
海外の人ってどこの国の方とお話するんですか?
Y.Aさん:
今担当している試験はヨーロッパの国が主導しており、スペインやフランス、ルーマニアなどになります。
採用担当:
R.Fさんは新卒で入社されて、業務で英語を使う難しさがあれば教えてください。
R.Fさん:
私個人は英語の方がネイティブなので、難しさは感じなかったのですが、今年入社された方々は、最初はわからなくても、インターネットの力や周りの方々が使われているフレーズを聞くうちに分かっていくって聞きました。
私は日本語が難しいと感じますが、周りの方が作成されるメールを参考に学んだり、周りの方からサポートいただき、分からないところを教えていいただいたりしているので、言語も仕事も学びやすい環境だと感じています。
採用担当:
英語の学習意欲があれば、あとは自然と身についていく環境があるのですね。また、英語の学習費用の補助も使っている方が多いですね。
入社研修・キャリアパス
採用担当:
学生の皆さんも気になっていらっしゃる研修についてご紹介をします。研修内容は、より良く学んでいただくため、毎年、内容や期間のアップデートをしておりますが、基本的な内容をご紹介します。
M.Oさん:
新卒の方は、入社後、約6か月の研修・OJTがあります。内容は、GCP (Good Clinical Practice)などCRAにとって必要な基礎的な知識と、それをもとに実際にCRAが行う業務を学んでいいただきます。研修というと座学で講師からのお話を聞くスタイルが思い浮かぶかもかもしれませんが、弊社では、それに加えてロールプレーやプレゼンなど、実際のCRAの仕事の場面を想定した臨場感あふれるスタイルを多くとっています。
研修の実施方法は、コロナ禍のため、オンラインを活用しつつ、必要に応じて集合研修も交えながら行っています。
研修終了後は、3か月間(10月~12月)内勤CRAとして、各試験に配属されます。そこでは研修で学んだ知識を実際に使っていただきCRAと一緒に業務をしていだきます。翌年の1月にCRAになることを目指していただきます。
採用担当:
CRAになった後も様々なキャリアパスがあります。縦のキャリアパスとしては、CRAからプロジェクトのマネジメントと、人のマネジメントがあり、それぞれを目指すことができます。
横のキャリアパスとしては、内勤職や薬事や安全性などのポジションがあり、部署異動の機会も提供されています。弊社では、男性女性問わず、ライフイベントに合わせた働く環境を整えており、それを応援する体制がありますね。
採用担当:
R.Fさんは、今年2年目ですが、研修を実際に受けられていかがでしたか?
R.Fさん:
研修はとても分かりやすく、私みたいに全く治験の知識がない方でも基礎から始まるので最後には知識豊富な方になります。
ただ、やはり実際にやる業務は、細かい作業が多いため、知識として学んでも実際に業務がすぐできるかって言われたら難しいかもしれないです。ですが、A.Mさん、M.OさんのようなLMからのサポートやY.Aさんとチームの皆様のサポートもあるので、実際にやる業務と知識が研修後の1年2年で紐づけされました。
成長に向けた育成・フォロー体制や1on1の実施
採用担当:
その他の社員の成長に向けたもう一つの育成・フォロー体制として、2週間に一度必ず実施している1on1(ワン・オン・ワン)という面談についてご紹介をいたします。
A.Mさんは、CRAのLMとして、普段どのようなフォローアップをされているのでしょうか?
A.Mさん:
社内手順理解のサポートやモニタリング対応、施設対応の問題発生時に一緒に解決に向けて話し合ったり、施設交渉を一緒に行うこともあります。
LMにも10年以上CRA経験をもつ方も多いので、先輩CRAとしてアドバイスしたり、フォローに回ることもあります。CRAが一人で抱え込まないような声掛けを意識的に行っています。
基本的にはメンバーが話したいことを話してもらう時間としています。担当試験の進捗やご自身の業務状況、社内手順やGCP理解で迷うことについてご相談があったりもします。業務の内容以外にも、最近嬉しかったこと、ご自身やご家族のことだったり、プライベートなことのお話しや仕事の愚痴なんかも聞いたりします。
この時間はLMとしてお時間を共有させていただいていますが、時にCRAの先輩として、時に人生の先輩、母親としてメンバーと向き合い、色々話し合うこともあります。ある程度時間は決めていますが、お話し内容によっては時間を延長して、気の済むまでお話しを聞くようにしています。
A.Mさん:
R.Fさんは普段の1on1でLMとどんなお話しをされていますか?
R.Fさん:
私は、1on1の時に、業務でわからないところや不安なところの相談しています。そして相談した内容のサポートをしていただいたり、今後のキャリアについて相談した場合には、実際にそれに向いてのアクションなどもアドバイスいただきます。
これは個人エピソードなのですが、一度しか相談しなかったやりたいことや将来のビジョンをお話しし、その次の日にお話ししたやりたいことが実現されたので、ちゃんと聞いていただいているって実感しました。
採用担当:
ご転職されてきた方からも弊社のLMは、距離が近いとよく耳にします。こうした、信頼を築きやすい体制があることが、より個人の成長を促していくのですね。
ワークライフバランスの取りやすさ
採用担当:
仕事とプライベートのバランスは取りやすいですか?
A.Mさん:
弊社では、人の命に係わるような緊急の場合を除き、22時以降や土日祝日のメールは一切来ないルールになっています。
また、休みが前後に挟まれている場合は、続けて連休にするなど、有給の取得を推奨されています。
最近では、男性の産休・育休取得も増え、お子さんの育児に積極的に熱心に取り組む方もたくさんいらっしゃいます。
採用担当:
メリハリのある働き方ができそうですね。A.Mさんは、ワークライフバランスを保つために、どのように両立されているのですか?
A.Mさん:
フルフレックス制度(コアタイム無し)をうまく活用しています。私の場合、子どもをもつ母親としては、平日に子供を病院に連れて行ったり、学校参観日や懇談会などの学校行事参加するなど、プライベートの時間とのバランスも取りやすく、非常に助かっています。
フレックス休暇を利用して、早めに仕事を切り上げて、仕事帰りにジムに通ったりもすることもあります。